2015年1月9日金曜日

ADCを使ってみよう。

今回、ADCを使って高精度温度センサLM61のアナログ値を
キャラクターLCDに表示させます。
まず、必要な物
Vssa,Vddaが外に出ているPSoC5LPボード(今回はCQ出版のボード)
高精度IC温度センサーLM61BIZ 1個
セラミックコンデンサ1μF 1個

出来ればあると良いもの
抵抗330Ω 1個
コンデンサ0.1μF 1個

今回は必ず、PSoC Creater3.0の環境で行ってください。
3.1ではsprintf()のトラブルシューティングが出来ません。
3.1環境でもsprintf()を使うことが出来ます。

さて、PSoCのADCは通常のマイコンとはかけ離れた高級仕様となっています。
普段以上に濃いので、よく見ながら進めて行ってほしいとおもいます。
では、普段通り「空のプロジェクト」を立ち上げたら、以前に書いた

Sprintf()のトラブルシューティングの記事の手続き(別ウインドウ)を済ませます。


そうしたら、表示用のキャラクターLCDをドラッグアンドドロップで入れます。
次は「Analog」⇒「ADC」から「Delta Siguma ADC」を選んで、ドラッグアンドドロップします。

また、アナログの入力ピンも必要なので
「Ports and Pins」から「Analog Pin」を選んで入れます。

どう繋いだか忘れないように外につなぐ部品も「off Chip」から選んで入れておきましょう。入れ終わった段階でこんな感じ。半固定抵抗がセンサーの代わりです。

ピンに入れる前のつなぎ方はこんな感じです。

センサー側で使われる電源はアナログ側の電源のVdda,Vssaを使います。

1μFのコンデンサはADC側で使うのでまだ使いません。
それでは、ΔΣADCの設定をしていきましょう。
設定を開くとこんな感じです。

上から説明していくと

「Modes」では計測を連続、単発にするか、分解能やサンプルレートを設定します。
分解能はどれぐらい電圧を細かく見られるか、
サンプルレートは秒間何個計測できるかとなっています。
ADCでは1番目のキーとなるところで、
分解能が高くてもサンプルレートが正しくなければ誤った計測結果となります。



「Input options - ***」どれぐらいの幅の電圧を分解するかについてです。
シングルエンド入力、差動入力で異なりますし、基準電圧よっても異なります。
今の状態では差動入力となっています。差動入力とはある2線間において
の電圧を測る場合、交流な電圧を測る場合、また外からのノイズが強い場合において
使われます。

「Reference」ADCが使う基準電圧に付いての設定です。
内蔵の基準電圧を使うことも出来ますし、内蔵の基準電圧にコンデンサを追加することも出来ます。また外部の基準電圧を使うことも出来ます。

今回は差動入力の必要が無いので、先ず「Common」のタブを開いて

「Differetial」のラジオボタンを「Single ended」に切り替えて
シングルエンド入力にしましょう。

元のタブに戻ると「Input options」の所が「Single ended mode」となります。

それでは、詳細な設定を上からしていきたいと思います。
Modesの所では、
「Resolution(bits)」をプルダウンメニューの中から14を選び
「Conersion rate」に20000と入力します。

Input options-***では、
「Input range」のプルダウンメニューからVssa to 2.048Vを選びます。
LM61のセンサーは最大1.6VなのでVssa to Vddaまでは必要ありません。

Referenceでは、
「Referense」のプルダウンメニューから
Internal Bypassed on P3.2(P0.3でも大丈夫)を選びます。
高精度の基準電圧を持っていても、ノイズは避けられません。
よって基準電圧とGNDの間にコンデンサを追加してノイズ対策をします。

全ての設定が終わるとこんな感じになります。


設定が終わってOKをクリックしたら
ΔΣADCのコンポーネントがシングルエンド入力に変わっているはずです。

シングルエンド入力の側とアナログ入力側をつなぎましょう。

これで大まかな設定が終わりました。
次はPSoC5LP全体の設定をしていきましょう。
先ずはピンの設定をしていきましょう。
適当で良いです。
1μFのコンデンサはここで登場します。
繋げ方は下の図のように繋げます。



クロックもそのままでも大丈夫だと思いますが、
PLLは24MHzから48MHzにしておいた方がよいでしょう。

そして、今まで触れていないところに触れたいと思います。
「Pins」のタブと同じ列にある「System」のタブを開きます。

このSystemのタブではプログラムの書き込み、デバッグの方法、
どう言う電圧で稼働させているかについての設定が出来ます。

 Systemの画面をスクロールさせるとVdddやVssaについての設定が出ていきます。
スクロールした状態ではVdddからVddio3まで5.0Vとなっているはずです。

ボードによっても異なりますがCQ出版のボードは3.3Vで動かすため
VdddからVddio3までを3.3と入力します。

ここまで終わったら、1度コンパイルします。
今回は長いのでmain.cを書いておきます。

#include <project.h>
#include <stdio.h>//sprintf()を使うのでこれは追加する
int main()
{
    /* Place your initialization/startup code here (e.g. MyInst_Start()) */
    LCD_Char_1_Start();
    //確認用なのでここの部分はあっても無くてもいい。
    LCD_Char_1_Position(0,0);
    LCD_Char_1_PrintString("test");
    CyDelay(500);
    LCD_Char_1_ClearDisplay();
    //ここまではあっても無くてもいい
    ADC_DelSig_1_Start();//ΔΣ使うよ宣言
    int32_t get=0,mvout=0;//戻り値を入れる場所
    double temper=0;//電圧値温度変換用
    char outget[10];//文字変換した後に入れる場所
        CyGlobalIntEnable; /* Uncomment this line to enable global interrupts. */
    ADC_DelSig_1_StartConvert();//ΔΣ変換スタート
    for(;;)
    {
        /* Place your application code here. */
        ADC_DelSig_1_IsEndConversion(ADC_DelSig_1_WAIT_FOR_RESULT);//変換まで待つ
        get = ADC_DelSig_1_GetResult32();//変換数値を入れる
        LCD_Char_1_Position(0,0);
        LCD_Char_1_PrintU32Number(get);//uint32をそのまま出力
        mvout = ADC_DelSig_1_CountsTo_uVolts(get);//変換された数値をμVに変換する
        LCD_Char_1_Position(0,8);
        LCD_Char_1_PrintU32Number(mvout);
        LCD_Char_1_PrintString("uV");
        //電圧値を温度用に計算させる
        temper = mvout;
        temper = temper/1000;
        temper = temper-600.0;
        temper = temper/10.0;
        //計算おしまい
        sprintf(outget,"%.2f",temper);//数値を文字変換する。
        LCD_Char_1_Position(1,0);
        LCD_Char_1_PrintString(outget);
        //LCD_Char_1_PutChar(LCD_Char_1_CUSTOM_0);//LCDのカスタムモードで「」を作った場合
        LCD_Char_1_PrintString("C");//の代わり
       
    }
}

/* [] END OF FILE */


書けたらもう一度コンパイルをして、おしまい。

ピンへの接続が終わったら、書きこんでみましょう。
変換値、電圧値、温度が表記されていれば成功(/・ω・)/。


これでΔΣADCのおおよその全貌が見えてきました。
ADCはサンプルレートが上がる、もしくはビット数が上がれば
ノイズやエリアジングも気にしなければなりません。
今回はビックループでのサンプリングをしましたが
入力のピン数が増えれば、割り込みを使う場合や
サンプリングレートが高ければDMAも使わないと
CPUだけでは正しい計測が出来ません。

高級仕様なのでmb*dの様に簡単には行きませんが
真面目に計測をしたい場合ではこれ位必要でしょう。
また、差動入力も選べますからホイットストーンブリッジも大丈夫です。

私も勉強中ではありますが、これはまだ序の口でしょう…。

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